
語る抽象画展 vol.8
2019年1月26日-2月3日
アートコンプレックスセンター
虐げられた者たちには、
虐げられた者たちの音楽がある。
ブルースがあり、フラメンコがあり、ジャズがある。
怒りも悲しみも音楽に変え、
暗く激しい旋律は我らの心を癒し、
鼓舞するのだ。
サラリーマンであるところの私の心労など
彼らを思えば
そよ風のようなものに違いないが、
私たちは私たちなりに必死になって駆け、
不満をのみ込み、疲れ、
すり減らしながら
現代の都市を生きているのだ。
描くとき、
私は常にひとつのイメージを持っている。
そこら中にある不満や閉塞感を
切り裂くようなイメージだ。
それは色の面となり、層となり、
キャンバスを覆い、
絵というものができあがる。
絵と呼べなければ、
名前は何だって構わない。
ただ願わくば、
夜を流れる音楽のように、
誰かの心を癒し、
鼓舞するような表現でありたい。