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第2回個展に寄せて

2017年9月19日-11月2日

RENOVATION BOOK CAFE

 

 

 

現代美術において最も大切なのは

コンセプトであろう

コンセプトとは

“どのような意図をもって

作品が制作されたか”

ということである

 

美術館に行けば

説明的な作品のとなりに説明文があって

読んで初めて作品を理解できる

ということが少なくない

 

対照的に、内野の作品には

コンセプトも解説文もなく

画題すらほとんどない

 

作品を説明する要素が

故意に省かれているのは

作品だけを見てほしいという

思いからである

 

「例えば通りすがりの人が

ふらっと私の個展を見てくれて

“内野って名前は聞いたこともないけれど

絵はなかなかいいね”

なんて言っていただけると最高に幸せです」

と作者

 

誰が描いたかは重要でなく

何かを表現するのではなく

言語も文化も時代も超えるような

普遍的なモノを作り出したい

と作者は願う

 

独学の彼の

独自の技法と

独特の感性から創作される作品は

独創的である

 

内野の作品はすべて

誰にも模写することはできず

本人でさえ二度と描くことはできない

 

一回限りの潔さを

厚い絵の具に託した作品は重く

絵というよりはむしろ

存在感のあるモノとして成立している

 

内野は画家ではなくビジネスマンだ

 

誰もがそうであるように

日々戦い

ストレスを飲み込み

疲れている

 

だからこそ

繰り返す日々に負けないために

その疲労や消耗を糧として

描く

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